IWATCH商標の出願公開に思う。 商標戦略小考


アップルがIWATCHという商標を出願したとして、ニュースになっている。
一部のニュースサイトでは、商標公報(公開)の内容を出すなどしている。

いろいろある知的財産の中でも商標はわかりやすい。

 Iwatch商標登録出願ロゴ
YAHOO!JAPANニュースより

ニュースでは、アップルが発表するであろう新商品の準備だとして捕らえられている。
世界のさまざまな業界に影響するだけのインパクト(衝撃的)があるだろう。

特許出願段階では、本当に早くからのアイデアコンセプト(商品構想段階)での出願であるので、それが商品化されるかどうかはわからない。

しかし、商標選択は極めて商品化に近い。
もともと商標の字を分解すると商品標章(商品に付ける標識)の意味合いがあるのだから当然だ。
商品の試作が終わり、量産できる目途がつき、販売にあたって商品名を考えるころに商標が選ばれる。

商標、特に言葉によるものは創作ではなく、選択という言葉が使われる。
だから、商標としてのIWATCHは、創作ではなく言葉の選択だという意味だ。
つまり、今日明日にでも同じ名前で出願することができる。

それは模倣というより競争だ。
だから商標権は先願主義(せんがんしゅぎ)であり、先に出したものが登録できる。
同日に同じ商標が出願されれば、くじ引きが行われる。

当然、IWATCHの出願が既に出願されていれば拒絶され登録はされない。
調べてみると携帯電話の区分 第9類で、すでに他社が出願している。
アップル社の出願時には他者の出願動向が判明していなかったのだろうか。

それともロゴを限定しての戦略か。
いずれにせよ登録されるまでには、紆余曲折があるかもしれない。
(アイフォンという商標にしても、アップルは携帯電話機の商品区分においては登録できていない。2013.07.03現在)
他者がすでに登録していいるときは、通常は使用許諾(ライセンスによる使用)ということになる。

名前一つで売上げが左右されることもある商品名
使えるか使えないかは商標登録で大きく影響される。
かといって、使いそうな商品名をあらかじめ予想して、すべて商標登録出願するのは、たいへんなコスト(費用)を要求される。

昔、牧場の牛が逃げても所有者がわかるようにと、押された焼印(やきいん)、焼き鏝(やきごて)が商標の由来だとも聞く。
そんな長い歴史を持つ商標だが、現在においても商標選択を最適化することは至難の事項と言えるだろう。

 うし

PS:アップルの出願は、実はネットで公開されない制度を持つ他国にすでに出願してあり、優先権(6か月)を主張することで、先願事実を確保するようだ。
なるほど、出願動向がわかりやすいだけに、影の戦略があったようです。

なにごとも対応が迅速化している感があります。


2013.07.05
アップルは世界で商品を販売する企業ですから、日本の商標戦略だけを見てもあまり参考にはならないかもしれません。
やはり世界における商標戦略を見てみる必要があります。

商標には、国際登録商標という制度(特許庁活用ガイド)がありますが、基礎となる商標に確実性が必要です。
例: アップル社の国際商標登録の例 国際登録番号 第1071006号

IWATCHの場合は、米国でも複数社が取得しており、すでに競争状態のように見えます。
iwatch米国商標
米国特許商標局より

japan.cnet.comによりますと、メキシコ、台湾、トルコ、コロンビア、ロシア、で 「iWatch」が商標登録出願されているということです。

また、新華社ニュース によれば、
中国でのiwatch商標
すでに iWatch が登録されていたが、期間満了で現在は無効状態とのこと。
ただし よく似た「iWatching」の商標登録は今なお有効。

アップル社による取得は、簡単ではないかもしれません。


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